2021年11月のニュースでアメリカの10月の消費者物価指数が前年同月比で6.2%上昇となり、約30年ぶりの高い伸び率になったことが取り上げられました。
もともと物価の高いハワイで生活していて高い物価に慣れてしまっていましたが、たしかにここ最近は、ガソリン代や肉類などの値段が高くなっていることを感じます。
今回は物価についてまとめました。
よく「物価が上がった」「物価が下がった」という言葉を聞きます。これは、「消費者物価指数」(Consumer Price Index)の上下の動きを見て言っている場合と、実際に前に買った値段と比べて高い、安いで言うこともあります。
消費者物価指数とは、商品やサービスの末端価格( 消費者が実際に購入する時の価格)の変動を表す指数です。
この消費者物価指数の項目や算出方法は国ごとに異なります。
物価上昇率とは
消費者物価指数がどれだけ上がったかを示す割合です。
英語では「Inflation Rate」と言い、日本でもインフレ率と呼ばれることがあります。
アメリカの消費者物価指数
毎月15日前後に、米労働省労働統計局(Bureau of Labor Statistics)が発表します。
この指数の基準となるのは、1982-1984年の指数です。基準となる消費者物価指数は100になります。
また、消費バスケットの基準年は2009年-2010年です。
消費バスケットは、消費者が購入する代表的な商品・サービスの組み合わせのことです。
つまり、2009年~2010年の消費バスケットをもとに品目の比重を調整して、1982年~1084年の価格と比較した指数が発表されます。
消費者物価指数と上昇率の計算方法
消費者物価指数は米労働省労働統計局が発表するので、自分で計算する必要はありませんが、理解しておくことで理解が深まります。
合計消費額の計算
計算を行うためにまず知る必要があるのは比較したい年のそれぞれの価格と消費量です。
今回は、1984年と2004年で比較します。
計算しやすいように品目はハンバーガーと、ジーンズと映画のチケットだけにしました。
1984年の値段
ハンバーガー:$0.80 ジーンズ:$24.00 映画のチケット:$5.00
1984年の消費量(計算しよう異様に簡単な数字にしています)
ハンバーガー:40 ジーンズ:1 映画のチケット:4
合計の消費額を計算します。
合計消費額:($0.80×40)+($24.00×1)+($5×4)=$75.00
そして、20年後の2004年の値段を調べます。
2004年の値段
ハンバーガー:$1.20 ジーンズ:$30.00 映画のチケット:$7.00
2004年の消費量(1984と変わらなかったとします)
ハンバーガー:40 ジーンズ:1 映画のチケット:4
消費量は変わらず価格だけが変わった場合の2004年の合計消費額を計算します。
合計消費額:($1.20×40)+($30.00×1)+($7×4)=$106.00
消費者物価指数と上昇率の計算
消費者物価指数を計算するにはその年の合計消費額を基準年の合計消費額で割った際の割合で計算します。
1984年の合計消費額は$75でした。
基準年は、前述したように1984年です。
1984年の消費者物価指数:$75/$75×100=100
2004年の合計消費額は$106でした。
基準年は、1984年です。
2004年の消費者物価指数:$106/$75×100=128
1984年の消費者物価指数:100
2004年の消費者物価指数:128
つまり、1984年と2004年の消費者物価指数の上昇率を考えると28%になります。
アメリカの物価上昇率の推移
1984年以降の物価上昇率をまとめました。
これを見ることで毎年どれくらい物価が上がっているかを見てみます。
ここで示す物価上昇率は前年と比較した場合の物価上昇率です。
1984 | 1985 | 1986 | 1987 | 1988 | 1989 | ||||
4.37 | 3.53 | 1.94 | 3.58 | 4.1 | 4.79 | ||||
1990 | 1991 | 1992 | 1993 | 1994 | 1995 | 1996 | 1997 | 1998 | 1999 |
5.42 | 4.22 | 3.04 | 2.97 | 2.6 | 2.81 | 2.94 | 2.34 | 1.55 | 2.19 |
2000 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 |
3.37 | 2.82 | 1.6 | 2.3 | 2.67 | 3.37 | 3.22 | 2.87 | 3.82 | -0.32 |
2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 |
1.64 | 3.14 | 2.07 | 1.47 | 1.62 | 0.12 | 1.27 | 2.14 | 2.43 | 1.81 |
2020 | 2021 | ||||||||
1.25 | 4.28 |
※2021年は10月までの結果です。
<出典>International Monetary Fund
2009年以外は前年より消費者物価指数が上がっていることが分かります。
そして、2021年(10月までですが)は、昨年2020年と比べて4.28%も上がっていて、1990年以降で一番高い上昇率となります。
アメリカの消費者物価指数の上昇の原因
アメリカで、今回、消費者物価指数が上昇した理由は、まず一つは商品の一部の供給が滞ったこと、新型コロナウイルスに対するワクチン接種を普及したことで経済活動が再開されたこと、それに伴い顧客の需要が高まったことを挙げている専門家がいます。
また、コロナ禍で一時解雇された人たちを再雇用しようにも、戻ってこず人手不足によって、賃金を上げることで、商品の価格にその分が添加されていることも原因の一つであると分析する専門家もいます。
今後も、新型コロナウィルスが経済に及ぼす影響は大きく、消費者物価指数にも影響があると考えられます。
まとめ
消費者物価指数について今回はまとめました。
給料が横ばいでも、物価が上がれば、今まで変えていたものが買えなくなることもあり、実質給料が下がったことと同じことになります。
物価の上昇率が4.8%の現在は、銀行のSaving Bankにお金を預けていても、平均の金利が、大体$0.06%です。
つまり、銀行にお金を預けていてもお金の価値は下がっています。
最近では、銀行にお金を預ける代わりに、リビングベネフィットが付いた積立て型の生命保険で資産を形成する人が増えています。
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